腸内の“お花畑”「腸内フローラ」

ご存知でしょうか? 私たちの腸内には100~500種類、全体で約100兆個、重さにして約1㎏の「腸内細菌」と呼ばれる多種多様な細菌がすんでいます。

そして、この約100兆個もの腸内細菌は、腸壁にお花畑のようにびっしりと種類ごとに分布しているので、腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれています。

赤ちゃんは生まれるとき、産道を通ることで母親から細菌を受け継ぐといわれています。腸内細菌の形成は、ここから始まります。

腸内フローラは、生まれたときの環境などにより、その人独自のフローラができあがるといわれています。腸内は母体にいる状態では無菌ですが、出生と同時に産道や空気、周りの人間の肌の接触などによって細菌が侵入します。そして成長とともにその人独自のバランスでフローラができあがるのです。

腸内フローラは一定のバランスを保ちながら複雑な微生物生態系をつくっていますが、そのバランスも加齢とともに崩れてゆきます。

覚えておられる方もいるかもしれませんが、2015年2月22日に、NHK総合で「腸内フローラ解明!驚異の細菌パワー」と題した特集を放送しました。

腸内フローラと呼ばれる腸内の細菌群が、健康や美容に大きな影響を与えるという内容で、番組では腸内フローラの状態が、がん、糖尿病の発病やダイエット、うつ病との関係もあるということが示唆されていたように思います。

私も興味深くその番組を見ていたのですが、一般にもかなりの反響があったようで、放送以後、日本国内では「腸内フローラ」「腸内細菌」「乳酸菌」といったキーワードをテレビのCMや医薬関係の商品に見かけることが増えてきたように思います。