いまだに補完代替医療を否定する医師が多いのは残念

医師のなかには、補完代替医療・サプリメント・健康食品と聞いただけで、頭ごなしに否定する方がいまだに多いのはどうしてでしょうか?

一つには、私たち医師は「エビデンス」を重要視致しますので、エビデンスの乏しいものを患者さんにお勧めすることはできないという考えがあるからです。

これは、当然といえば当然のことです。しかし、いわゆる健康食品の中にも、医薬品レベルでいうところのエビデンスはそろっていないまでも、安全性を含めてしっかりと研究されている商品も増えてきているのも事実です。

特に最近では、研究をしっかりと継続しているメーカーも少なからず見受けられますので、全ての健康食品を一律に評価するのではなく、個々に評価できるように医師も意識を変えていく必要があるのではないかと感じるところもあります。

基本的には医学部で補完代替医療の教育を受けていないために、医師自身がよくわからないというのが正直なところかと思われますので、

今後、教育改革がなされ、海外のように医学部でも補完代替医療の教育が当たり前に行われるようになれば、少なくとも頭ごなしに補完代替医療を否定する医師は激減すると思われます。

考えてもみてください。漢方薬は東洋医学として受け入れられ、一部は保険適用の医薬品として認められている医薬品ですが、漢方薬でも初めからエビデンスが整っていたわけではありません。長い歴史の中で、経験的に積み重ねられた結果によるものです。

今、エビデンスが整っていると思われている医薬品でさえ、じつはまだわかっていないこともたくさんあります。

その結果、予期せぬ副作用が報告されて回収されることさえあることを考えると、エビデンスにこだわり過ぎずに、補完代替医療を一つの手段として、その患者さんにとって前向きに健康になれるようにすることも医師の役割でもあると思います。

販売業者の販売姿勢にも問題が…

もう一つには、一部の販売業者の販売姿勢に問題があります。

一貫性がなく、品質を見極めるのが困難というのが偽らざる現状で、販売業者によっては、誇張した表現であたかも特定の疾患に効果がありそうな説明をすることがあります。