コア・コンピテンシー:成熟したコミュニケーション

コミュニケーションというと、ざっくりとしたイメージになってしまうことが多い。コミュニケーションは、本来何らかの目的を持った行動・手段である。

傾聴、明確な説明・解釈(ロジカルで体系的:口頭、文書共に)、情報共有と目的を踏まえたコミュニケーションができている状態を指す。このようなコンピテンシーがどのような効果を発揮しているのかの例を挙げる。

例えば、専門性が違う人同士でも、難しい用語ばかりを使わずに、相手に合わせて、相手が適切な判断や行動をしてくれるように、わかりやすい説明ができる。

同時に、相手が正しく理解していることを確認できる。ディスカッションのファシリテーションにも長けているなどである。

私が強調しておきたい重要なポイントは、相手が苦手な人でも、目的や役割を果たしてもらうために建設的なコミュニケーションがとれるかどうかである。

これが単なるアクション以上に成果を伴う前進へのドライバーになっていると思う。その背景には、自分の感情をコントロールしたり、ロジカルに目的を果たすために必要なプロセスを整理したり、キーマンを特定したり、ありとあらゆるスキルを総動員した結果、「成熟したコミュニケーション」に辿り着くのである。

この部分を無視して、自分はコミュニケーションに長けていると判断するのは早合点である。

コミュニケーションを強みと書いている人は少なくない。強みとしてのコミュニケーションについては、少し慎重に評価した方が良いと思う。

成熟したコミュニケーションの要素が高くなると、人間同士の好き嫌いを超えた次元で、健全な議論を醸成することができ、自分達の組織のみならず、他者との協働も安心して任せられる。

どんな場面でも自信が持てる人にリーダーをお願いしたいものである。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『管理職魂』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。