人生100年時代に突入し、AIやITといった最新テクノロジーや多様化などによって複雑化していく問題に対処するためには「管理」を通じて得られるスキルが必要である。第一三共株式会社やファイザー株式会社、厚労省ベンチャーサポート事業のサポーターなどの経歴を持つ冠和宏氏が「管理」を通じてスキルを習得する方法を語っていく。

管理職の仕事は「イヤミ」と「詰め」だけじゃない!?

管理職というものを通じて習得するスキルに拘るわけ

100年時代ということを考えたとき、物心つく頃の経験なども大事ではあるが、トータルで最初の40年くらいというのが結構大事だと思う。社会に出てから20年くらいは仕事が楽しくて仕方がない時期なのだと思う。自分でも年々スキルが向上していくことを体感できたし、新しい気づきや学びをベースに、アイデアがどんどん出てくる。

40歳過ぎたら、学びの速度が遅くなるとか、名前が思いだせなくなるとか、老眼がくるとか、色々なことが言われている。でも、100年時代を考えたら、まだまだ半分も来ていない。職場によって時期は多様ではあるが、55歳とか、早いところでは55歳を過ぎたくらいから第一線を退くことを意識させられるようなところもある。職人でこの道40年の方でも「自分はまだまだ若造」という世界もあるが、大部分の職場では60歳定年という仕組みがかなり長いことつづいた。

そう考えると、100歳というスパンで物事を見てみると、多少定年が延長したところで、定年後の人生の長さは、大きな差はないようにも思える。人生を長いマラソンで考えたら、前半戦に人生の戦略を練り込んで、未来を明るいものにするために何をして、次の世代に何を伝え、何を残していくのかを考えていくのが重要なのではないかと思う。半分の50歳だと、準備に時間も必要だろうから早いに越したことはないように思う。

つまり40歳とか50歳くらいまでに、仕事の知識を自分の人生にも応用するために、多くの時間を使っている職場や仕事の時間を有効活用し、多くのスキルを身に付け、日々研鑽し、スキルを発揮して、一人ではなく、より多くの仲間と共に、社会全体で100年時代をより充実したものにしたい。つまりはマネジメントである。そんな考えが世の中に浸透したら、世の中は更に良いものになるに違いない。そんなことを考えているとワクワクする。

ところで、管理職というものは一定の割合の人が経験するわけであるが、この管理職の経験を特に大事にしてほしいと思う。もちろん管理職ではないとダメか?と問われれば、何も管理職に限った話ではない。多様な経験を通じて、人生で遭遇する困難や、問題に対処するスキルや知識を身に付けることができる機会は山ほどある。単一のスキルではなく、時には組み合わせて、あるいは関連付けて問題に向き合うということを考えると、管理職という経験・実務を通じて生涯使えるスキルを磨くことは、とても効率が良いと感じている。

自分が問題だと思っている社会の課題を少しでも多くの仲間と解決することに関わることができたらどんなに素晴らしいことか。スキルは人生を豊かにするものであり、自分や一緒に何かを成し遂げるための仲間と充実した時間を過ごすために磨くものである。管理職の経験を通じて得る総合的なスキルを体系的に理解して実践の場を通じて磨くことを、これから管理職になる人だけでなく、管理職としてマンネリ感を抱き始めた人にもお勧めしたい。