【人気記事】JALの機内で“ありがとう”という日本人はまずいない

新しい春

この春から学びを始めた。私の能力でついていけるのか、生活は成り立つのかという不安はいっぱいだった。が、今行動しなければという思いのほうが強くあった。春の気配と共に新しい世界が広がる予感に、わくわくしていた。

入学式、オリエンテーション、懇親会と初日はあわただしく過ぎた。学生証を手にし、学食や大学図書館を利用し……という「学生」身分に気持ちが若返っている。通勤はスーツだが、学校へはかなりラフな格好で通っている。

私の大学時代とはずいぶん環境が変わり、今はネット社会。お知らせはメールで来るし、履修届はネットで出すし、ある授業のレポートはホームページを使って配信というシステム。

授業は1コマ90分。これまでとは全く違う世界に身を置き、魅力ある先生方のお話に引き込まれている。これから考えること、議論すること、書くことが多くなりそう。先生、先輩、同級生と交友範囲がいっきに広がった。

同級生は22歳から50代半ばまで幅広い年齢層でこれまでの経歴もさまざま。この多様性は魅力だ。今、なにもかもが新鮮。これからどういうふうに発展していくのだろう。楽しみだ。

年に一度のイベント

会社員の友人がやっているNPO法人が今年も公演をやる。

明治座アカデミーの卒業生でやる芝居とバラエティ。芝居は江戸時代を舞台としている。3年前もこのコラムで紹介したが、今年は第7回目の公演になる。会場は東京・深川江戸資料館の小劇場。1回目は一客として観せてもらった。

その折、受付をされている友人の奥さまの大変さを見て、また元来のイベント好きの血が騒いで一緒にやりたくなり、2回目からは手伝いで参加している。

受付が主だが、コピー、買い出し、使い走り、片付け、ゴミ捨て、何でもやる。年に一度、この公演のために長期休暇を申請する。うまく休みが取れれば、公演前日の準備、公演2日間、終わっての打ち上げまで参加する。

時には公演2日目の受付までして福岡に帰る。慶應義塾大学の歌舞伎研究会出身の友人の芝居は素人離れしている。同期をして「役者が会社員やっているようなもの」と言わせるほどの芸達者。

彼は3年前グアムに転勤になった。それでも途中まで練習していたその年は主役を演じた。翌年は皆と一緒に芝居の稽古ができないからと落語で出演。でもやはり芝居がやりたかったらしく、その翌年は、他の人とからまない狂言回し的役でお芝居に出演。