ウクレレを弾きながら歌いもする平賀源内役。落語も習っていたのでその腕前もプロ並み。ウクレレも歌もバッチリ。何でもやれる二枚目だ。50代の彼はまだ若手で、80代の方もいらっしゃる高齢者の団体だが、皆パワフル。舞台装置も衣裳も音響も本格的で細部にまでこだわり妥協がない。

私は毎年手伝いながら、演じる側の真剣さとパワーに圧倒され、観客の優しさ、会場に流れるいい空気に心が和む。一見の価値ありの、年に一度のイベントである。

年の瀬

年賀状を書いている。

今年は300枚。文面は印刷しているが、いまだに住所とその方へのひと言は手書き。けっこうな作業量ではある。お正月に見たものをまた読み返しながら、その方に思いを寄せる。なかなかお会いできず年賀状だけでつながっている人たちも多い。

それだけにこれを欠くわけにはいかない。なるべく元旦に届くように着々と進めている。忘年会をやっている。去年から修士論文に悩まされ、それが今年8月まで続いた。

その最中に母が病になり介護生活が始まった。師走に入りいろいろ思い起こすと、今年会っていない友人がたくさんいた。おしゃべりしたい、と連絡を取った。

学生時代の英会話教室の友人、入社のころの仲間、かつての仕事仲間、20年近く前ひき逃げ事故によるケガでお世話になった病院の看護師。心を許せる友人たちと顔を合わせて話すひとときはやっぱり楽しい。

大掃除をしている。片付け下手でなかなかきれいにならない。捨てようと手に取った物をあらためて見直したり、やっぱりまだ使えるかなと考え込んだりして遅々として進まない。

今年はとくに修士論文執筆に使った資料等がまだまだ整理されてないまま。思えばいろんなことがあった年だった。大学院卒業不可宣告の落胆、成田の友人との再会、グアム1泊旅行、母の入院、イベント参加、修士論文完成と大学院卒業、勉強会1泊研修、友人の公演手伝い。新しくご縁をいただいた方も多い。

イベントに参加して、たくさんの仲間と知り合えた。母の病気で、医療や介護福祉関係の方々とたくさん出会った。これまで知らなかった分野の人たちのおかげで私の世界はさらに広がった。2012年も暮れていく。

多くの経験と出会いに感謝でいっぱいである。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『思いつくまま』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。