リーダーに任命はされるけれども、「どんな心構えで、何をすればよいのか」まで、教えられていないことが多いのではないでしょうか。また、リーダーの哲学に関しては、ほとんど教えられていないのではなないでしょうか。

現場の話をすると、リーダーには「集団のダメなところを普通にする」という仕事と、「普通のところをよりよくする」という仕事があると思います。楽しいのは当然後者です。しかし圧倒的に前者をやらせているのではないでしょうか。しかも、その取り組みには、「本来教師がやるべきことだろう」というものも多数あります。

これらは私の若い頃の反省でもあります。私もうまくリーダーを育てることができませんでした。そのくせ集団の中で問題があると、リーダーを呼んで叱ることもありました。そんな指導力のなさを反省し、「このままでは終われない」という決意のもと、リーダーとはなんなのかについて学んできました。

先ほども述べたように、リーダーは幸せを感じ、成長できる大きなチャンスです。私は、「そもそもリーダーってどういう存在なのか」ということを教師が真剣に考えるべきだと思います。その中で、私がリーダー育成で意識していることを3つ紹介します。

1つめは、どんな心構えで取り組み、具体的にどのように振る舞うのかを、伝えることです。

そもそも前提として、リーダーに挑戦することは素晴らしいことですが、何をするためにリーダーになったのかということが大切です。人の上に立ったような気持になってえばりたいとか、人をこき使いたいとか、自分の人気取りのためになったのでは、うまくいかないでしょう。

リーダーになったからには第一に、仲間のことを徹底的に思いやってほしいと思います。そしてたくさんの苦労をしてほしいと思います。リーダーとして、自分さえよければいいなどという狭い考えにはなってほしくないと思います。第二に、理想の学級に向かって、中心となって進んでいってほしいと思います。

今教師の目の前にいる子どもたちは、いずれ今後の日本を背負って立つリーダーになるかもしれません。「ニワトリが先か卵が先か」ではありませんが、成長した子どもたちが、自分も他者も幸せにしようという哲学をもったリーダーになっていくと思えば、改めて夢のある仕事です。

そのうえで、リーダーになったからといってみんなが言うことを聞いてくれると思ったら大間違いなのです。そんなに簡単に人は動かないのです。「だからどうするの?」というここが大事で、リーダーには一歩先をゆく心構えと戦略が必要なのです。

 
※本記事は、2020年10月刊行の書籍『教師は学校をあきらめない! 子どもたちを幸せにする教育哲学』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。