湧き上がる欲求

そんななか、子どもたちが大きくなるにつれ、私の心には、また本格的に仕事をしたいという気持ちが、ふつふつと湧き上がっていました。子どもが生まれて子育てを優先したものの、やはりキャリアウーマンとしてバリバリ働きたいという、もともとの夢を捨てきれておらず、また必ず仕事をするんだという気持ちは、どこかで持ち続けていたのです。それで何をしようかと考え、思い至ったのが、子どもの頃から勉強が好きだったこともあり、何か子どもの教育に携わる仕事がしたいということでした。

それからは、インターネットを見るたび、幼児・子ども教室の案内が目に留まるようになりました。そのなかで「子育て経験を活かしてみませんか」のフレーズに引きつけられました。これなら私でもできるかもしれない。特に教えた経験はないけれども、子育てをしながら、子どもたちが所属するスポーツチームの活動にかかわったりしてきたという、自分の子どもだけではない、たくさんの子どもたちと触れ合ってきた経験が活かせるのではないかと思えたのです。

自分で事業を立ち上げるなんて、まだまだ勇気の出ないことでしたが、なかでも娘が所属していたチームで代表を務めた経験が、私にとっては大きな自信となっていました。その自信に背中を押されるようにして、私は起業することを決意したのでした。