夢への再チャレンジ

“やると決めたなら早いほうがいい”

私は、その気持ちの勢いに乗って、インターネットで見た、幼児・子ども教室の開設を受け付けている本部に申し込み、着々と準備を進めていきました。教室を立ち上げるまでには、学ぶことや課題も多くありましたが、勉強が好きな私にとっては、とても嬉しいことでした。

私自身、子どもの頃は、ひたすら自分で勉強をしていました。勉強とは、自分から能動的にするものだと考えていたのです。ですので、教え方の方針が、自学自習のシステムとなっていることも、私がこの教室に関心を向けたポイントでした。

教室では、下は幼児から、上は中・高生までの国語、数学、英語を扱いたいと考えていました。研修では他の先生方と出会い、多くのことを学び共有することができ、ようやく私が待ち望んでいた居場所を見つけたような感覚でした。

こんなふうに、私が新たな一歩を踏み出したことについて、はっきりと記憶にはないのですが、今思えば、主人には事後報告だったように思います。もともと人に相談することが好きではない性格だったこともありますが、以前、友人に紹介してもらった仕事の話をしたときに賛成してくれなかったことがあり、今度も、相談すれば「ダメだ」と言われるような気がして言えなかったのです。

また、主人とは仲が悪かったわけではないのですが、主人は仕事柄、ときおり言葉が厳しくなることがあり、私はそのたびに傷つき、いつしか本音を話すことができなくなっていたのです。

しかしそれでも、主人や子どもたちに、特に反対されることもなく(というか反対する余地を与えなかったというのが正確かもしれませんが)、開室まで漕ぎつけることができました。いよいよ自分らしい仕事ができるという期待と、教えた経験もない私が、本当に大丈夫なのだろうかという不安が入り交じったなか、仕事が始まっていきました。

※本記事は、2020年11月刊行の書籍『運命の輪 Wheel of Fortune』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋し、再編集したものです。