「公立は『オワコン』だ」なんて言わせない! 教育現場にはびこる不信、あきらめ、無関心。そして現場を無視した制度改革――。 社会が目指すべき学校教育とは? 現役教師が解説していきます。

いじめ編~子どもの幸せを破壊する学校の中の戦争~

実際の現場では、どうなのでしょう

いじめの定義が、「嫌がらせを受けた方がいじめられたと思えばいじめ」であるならば、確かにいじめはあります。育ってきた環境も違う子たちが集団生活をする以上、何も手だてをうたなければ「いじめはあるものだ」という前提に立った方がよいかもしれません。

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深刻ないじめにあたるものばかりではなく、いわゆる「いじる」といわれる、「軽い感覚でば馬鹿にする」というものは更にたくさんあります。聞くに堪えない発言が飛び交い、注意をすると「いじっていたのであって、いじめてはいません」「お互いにギャグだと思っていました」という答えが圧倒的に多いのです。

私は、ここに大きな問題があると思っています。相手の苦しみが想像できていないのです。そして信頼関係がないのにいじりが成立すると思っているのです。しかもだいたいいじる側は多数派で、人を馬鹿にして笑っていれば成立するので、強気で言ったもの勝ちのような雰囲気はあります。