現場には、いじる側が「強い子」だと思っている子どもがたくさんいます。でもそれは大きな間違いです。集団で一人をいじめる子がはたして強いのでしょうか……現場でいじめに対処するうえで覚えておいた方がよいと思うことは、「悪の本質は、徒党を組む、組みたがる」ということです。

また、以前道徳の授業で、「目の前でいじめが起こっていたら止める人」と聞くと、手を挙げたのは1人でした。正直本当に驚きました。理由を聞くと、「いじめっ子に合わせないと自分がいじめられる」「めんどくさいことに巻き込まれたくない」「いじめを止めに入ったらいじめられたことがある」というものでした。

かわいそうに、きっと今までの中で嫌な経験があったのでしょう。子どもも子どもで、人の顔色をうかがうことや、自分がいじめられないようにすることに必死なのです。いじめている側に悪気はなく、周りで見ている子も「事なかれ主義」で済ませようとする。

だからこそ、子どもに現場で関わることのできる教師の出番です。むしろ教師の「どんないじめも絶対に許さない。必ず解決する!」という毅然とした態度と情熱があって、いじめを解決することはできると思っています。