-------貧乏性スタート-------

人を好きになるきっかけは、顔だったり、声だったり、好きなものが一緒とか、理由はさまざま。自分のどこが好きになったんだろう? 少しの好奇心と、来るもの拒まずの精神で、引き合いのあった3人と俺はつき合った。

初カノのミナちゃんが家に遊びにきたとき、見慣れないフェルトの柔らかそうなブレスレットをしているのに気がついた。コスモスを型どったそれは、色も着ていたシャツと同じでとても可愛く、自分のためにオシャレしてくれたのだ!と思うと、なんだかグッときて、好きになってしまった。

それ以来、女子と会うときに何かしらの変化に気づくと、それが前髪切りすぎだったり、雰囲気がちぐはぐだったり、どぎつすぎるネイルでも、とりあえず、ツッコまずにはいられない。相手のキャラで、からかったり茶化したり色々だが、褒めたときの、恥ずかしそうな、でもとびきり嬉しそうな笑顔には、いつもグッとくる。

なんとも思っていなくても、その人をよく知ることで、惚れる可能性はゼロではない。「よく知らないから」を理由に付き合うのを断るのは、違くないか? 言った俺に、

「シャンプーや新聞のお試しと違うんだよ。相手は人間なんだから。よく考えて返事しな、貧乏性!」と、母に言われて、けっこうショックだった。