100億円あった赤字が70億円まで減りました!

一方、顔の見える関係づくりは小さな自治体では比較的容易でした。

小さな自治体では首長さんも身近な存在ですし、保健・医療・福祉の担当者も容易に顔を合わせやすい。市町村合併が進んだ時大きな自治体の中で地域包括ケアをどのように進めるかが私達に課せられた課題でした。

現在のところ、広域化地域での地域包括ケアはまだ実を結んでいません。顔の見える関係づくりも縦割りの行政の中で寸断されてしまいました。

首長さんとの両輪もそこまでたどり着くにはよほど先進的で理解ある方でないと困難です。大きな地域をそのまま動かすことは困難であり、市街地を幾つかのブロックに分け動きやすい形、顔の見える関係づくりに適した単位にした方がいい。

化石医師は合併時からそんな提言を市にしてきました。しかし何の回答もないままです。役所のどこかの段階で留まっているようです。

坂下病院が進めてきた地域包括ケアも後退傾向です。保健師さんの多くは市役所に集められ同じ市でありながら坂下病院がどんな活動をしているのか知らないスタッフが増えています。冒頭の保健・医療・福祉の合同研究発表会のモデルは私達が行ってきたいきいきネットワーク活動のようです。

しかし合併後に消防救急隊が「何故そんな会に参加しなければいけないのだ、年間5000円の会費はもったいない」との理由からネットワークを退会しました。ここでも顔の見える関係が崩れてしまいました。

冒頭の小さな自治体は市町村合併の中で、単独の道を選択されました。同じように単独の道を選択された隣町の議員さんの話です。

「100億円あった赤字が70億円まで減りました。職員及び住民が危機意識を持ち取り組んだ結果です。合併した所では周辺地域が見捨てられているようですね。当町はそんなことはありません」と誇らしげでした。

小さい方が良いこともある。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『新・健康夜咄』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。