このように世界の進化は、渦を巻きながら進んで行くことになります。ときには後退しているように見えるかもしれません。一直線の進化ではなく、ちょうど、ヘーゲルがいったように、螺旋的発展ではないでしょうか。

横からみれば螺旋階段を着実に上にのぼっていくのですが、上からみればしばらくは螺旋階段を元に戻っていく、つまり「後退期」に突入していく可能性が高いようです。以上、今後のパラダイムの方向を整理しておきます。

世界は、第4象限の現在位置から、しばらくは大量生産から離れられず、慣性の法則に従い、第3象限にシフトしようとする国が目立つようになるでしょう。しかし、これは旧来のパラダイムを持ち込むことになりますので、自滅することになります。

たとえ、勢力を増強したように見えても、多くの矛盾を抱えますので、いずれこのパラダイムは破綻することになります。

一方、第2象限を目指す国は、発展途上国からは出てこないでしょう。なぜならば、現在ここから抜けようとしているからです。

また、欧州には国家単位ではありませんが、個人のレベルで多くの人が、スローライフ、自給自足の方向に舵を切ろうとしています。

しかし、生活水準の明らかな低下と、活力を失うことで、精神の停滞も避けられません。したがって、このパラダイムも早晩、行き詰まることになります。 

[図2]不活性停滞ゾーン