服薬回数別でも1回と3回で残薬%はあまり変わらず、2回の方が8人と一番少なかった。

どんな薬が飲み残されているかを見ますと一番多いのは脂質異常改善薬であり、次いで降圧薬、血糖降下剤、漢方薬でした。漢方薬は緩下剤が多く、皆さん便通状態を見ながら内服を調整されているようです。

飲み残し理由はついうっかり、外出のためなどが多いのですが、中にはうつ病の方のように「一度止めてみて身体の調子を見た」などの理由がありました。

残薬ビッグスリーの疾患はいずれも生活習慣病です。

脂質異常、高血圧、糖尿病は重症化しない限りあまり自覚症状はありません。頭が痛い、腰が痛い、熱がある、胸が苦しいなどの症状があれば何とか治したいと皆さん薬を飲むものです。そのような症状がある病気に対し生活習慣病は苦痛はなく進行した結果やがて訪れる障害にはなかなか気が付かないものです。

化石医師は喫煙を含め生活習慣病について説明する時に「進んで行った先に存在する崖に気づくかどうかです」とお話しします。崖が見えている方は何とか進む速度を遅くしようとしたり道を変えたりするものです。

でも崖の見えない方は危険に気づかずそのまま進んでしまいます。服薬がきちんとできなかった方々は崖に気づいていないと言えます。30歳代、40歳代の方々の薬の飲み残しが多いことも崖まで遠く気づきにくいことが一因でしょう。

したがってこうした生活習慣病の方々には様々な工夫、説明をして危険に気づいて頂くことと、正しい生活習慣づくりの啓蒙が必要です。また服薬より運動習慣が望ましい。当院で運営している運動教室利用者が最近増えつつあります。

※本記事は、2020年6月刊行の書籍『新・健康夜咄』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。