「どうせ何もしないんでしょ?」

そんな私の言葉を受け、彼もようやく重い腰を上げたようだ。

付き合って四ヶ月が経ったころ、ついに私たちはセックスをした。正直、そんなに気持ちの良いものではなかった。ハギは童貞で、不慣れなせいもあったし、互いに緊張してぎこちなかった。しかしそれからも、何度も、何度もセックスをしていくうちに、ある日私はついに本当に感じるセックスをすることができた。

雄太とセックスした時には感じな かった、生まれて初めての感覚だった。演技ではなく、好きな人のペニスで、私は心からエクスタシーを感じることができたのだ。

それはこの上ない快感で、私はこのために生まれてきたのではないかと思うほど、充実した満足感と幸福感に満たされた。好きな人とするセックスは素晴らしい!

大学生になった私はコンビニを辞め、高い時給に釣られて学校近くのカラオケ店でアル バイトを始めた。ハギはそのままコンビニでのアルバイトを続けた。私たちは学校やアルバイトの休みを合わせ、週に一度は欠かさずデートをした。そしてデートの度にセックスをした。

私は、セックスの快感にすっかり魅了されていった。ハギとの関係も深くなり、徐々に羞恥心も薄れていくとアダルトビデオを真似、様々な体位やシチュエーションにもチャレンジした。時には公園や車など野外でしてみたり、コスチュームを着てみたりフェラチオやシックスナインも積極的に行った。

セックスは、今までの人生で自分が一番幸せを感じることのできる行為だ。

もし、もう二度とセックスができないというのならば、死んだほうがマシだと思った。

それは大袈裟でなかった。それほどまでに性とは、性欲とは、私が生きるためのバイタリティーそのものだった。そしてセックスとは、私にとって女としての悦びであると同時に、人間としての生きる喜びでもある。

しかしどんなにセックスの虜になっても変わらないことがあった。私は本当に好きな人としか、セックスができない。

遊びのセックス、レイプのセックス、仕事のセックス、そして愛のあるセックス。行為は同じでも、私にとっては全然違う。私はいつだって、好きな人とセックスがしたい。