私も恋をしていた。しかし好きな人とはおろか異性と交流する術すら持っていなかった。当時の私は社交性に欠けていた。いつのまにかできた男女の間の隔たり。この壁を取り払って男女分け隔てなく接するということが、私にはできなかった。異性を異性として過剰に意識してしまう。

また、協調性にも欠けていた。クラス皆でひとつの目標に向かって頑張ろうとしていることが、自分の意にそぐわない時は全くやる気が起こらなかった。例えば私は歌が好きだったのでクラス対抗の合唱コンクールでは自らが中心となり熱心に練習に取り組んだ。

しかしその一方で運動神経は悪かったので、運動会のクラス対抗リレーの練習には全く参加しなかった。そんな身勝手な態度は、私のクラスでの立場を悪いものにした。

同性の友人すら少なく、男女のグループで遊ぶという機会も私にはない。そこで、卑猥な言葉を発すると男達は自分に注目するとチャットの世界で学んだ私は、男子達が食い付くような話題を自ら話すようになった。

どんなブラジャーを着けているかや、マスターベーションのことまで赤裸々に話した。すると一部の男子達が確かに私に構うようにはなったのだが、それは私を持てはやすというよりは、どちらかというとからかうものだった。

男子と触れ合いたいと行った私の行為はかえって裏目に出てしまった。恋人ができるどころか変わり者扱いされ、特にまともな男子は私を避けるようになった。

もちろん好きな人に振り向いてもらえることもない。やはり女性が公衆の面前で性をひけらかしてはいけないのだ。

誰かと誰かが付き合った。誰と誰がセックスをした。そんな話を耳にするたびに私は堪え難い劣等感に苛まれたが、結局異性とまともに触れ合うことができぬまま高校に進学した。

その頃、近所に住む同じ中学だった男子に片想いをしていたが、正直誰でもいいから付き合いたかった。彼氏と呼べる存在が欲しい。

そして何よりもエッチなことがしてみたかった。同級生よりも早く処女を捨てて、優位に立ちたいという気持ちも少なからずあったが、それよりもまずはとにかく異性に触れられたい、という気持ちが私は異常に強かった。

毎日悶々としていたが、ファッションが好きだった私が進学したのは服飾科で、クラスには女子しかいなかった。おかげでまた異性と触れ合う機会はあまりなかった。さらにコンビニでアルバイトも始めたが、バイト仲間も女子ばかりだった。

そんな状況で男子と知り合うにはもっぱら、クラスメートの誰かに紹介してもらうのが主流だった。

「女紹介して欲しいって男友達いるから、連絡先教えてもいい?」

ようやく高校生活にも慣れ始めた頃だった。相変わらず友人は少なかったが、たいして仲良くもない女子からこちらが求めずともそう聞かれた。

私は初めての機会に内心舞い上がったが、男に飢えていると悟られぬようわざと少し面倒臭そうに了承した。そうして友人を介して知り合ったヒロキは私の最初の男だった。 

※本記事は、2020年9月刊行の書籍『不倫の何がいけないの?』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。