例えば、そもそも最初は脳溢血を発症した患者の場合でも、その対処の処置のいかんによっては、途中から急性心衰弱発作に病型が変わる場合や、また、その逆の方向(急性心衰弱発作から脳溢血)へと病型の変わる場合があるなど、循環器系疾患の中での病型が、治療の過程で何度も変化するケースがあるというのが実態なのです。

この実態からも、「両発作の根本原因は酸性腐敗便の産出・吸収という同一のものである」という父の結論の妥当性を、皆さんにも十分ご理解いただけるものと思います。

実際のところ、死亡診断書に死因の病名をなんと記すべきかを医師が迷う場合は結構あったため、その面でも「心不全」という言葉は使い勝手が良く、長らく使い続けられてきたものと推測されるのです。

なお、脳血管疾患の中の脳溢血と脳梗塞との差異につきましては、酸性腐敗便の産出・吸収が軽度な場合は脳溢血、高度な場合は脳梗塞になりやすいと父は判断しておりました。また、心臓疾患の急性心衰弱発作と心筋梗塞との差異につきましても、酸性腐敗便の産出・吸収の軽度な場合は急性心衰弱発作、高度な場合は心筋梗塞になりやすいとしておりました。

ちなみに、症状の軽度、重度の差異は、酸性腐敗の度合いや酸性腐敗産物の吸収量の違いによって生じると判断されます。これに加えて、各部位の血管の動脈硬化の度合いが、結果として発症する病型に影響を及ぼす重要な因子になっていると考えられます。

近年、両発作の中でも非常に強烈な発症形態を示す梗塞発作が急増してきていますが、これは、日本人の肉食度が急激に上昇することに伴い、酸性腐敗がより高度に起こりやすくなった結果の現象であると私は理解しています。

以上が父の「酸性腐敗便学説」における、論拠と考察の過程です。これをもって循環器系疾患の根本原因、および、その発症のメカニズムの、臨床的・生化学 的証明を成し得たと私は結論付けています。

※本記事は、2020年3月刊行の書籍『殺人うんこ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。