流儀三 ネット集客を意識した戦略をもて

03 細かな物件の作り込みがスムーズな集客につながる

こんな小物が入居希望者の背中を押す

ここからは大手不動産情報ポータルサイトを通じて私がやってきた入居希望者を成約に結びつけるちょっとした工夫を紹介してみよう。大家さん業というと、つい「何もしなくても家賃が入ってくるラクな仕事」と思いがちだが、とんでもない。こんな細かなところにも気を配る必要がある。私には、そこがおもしろいのだ。

たとえば、こんな小物を各部屋にあらかじめ設置しておくだけで、内覧のために訪れた入居希望者の背中をひと押ししてくれる。

USBコンセント:スマートフォンやタブレット端末だけでなく世の中にはUSB端子を使って充電する機器があふれて いる。ひとり暮らしでも電源コンセントは専用の充電アダプターで埋まりがちだ。 だから普通の電源コンセントをUSB充電用のコンセントを備えたものに換えておくと、それだけで好印象になる。

吊り戸棚:洗面台の上とか脱衣室の上など、空き空間に小さな吊り戸棚をつけるのも効果 的。スペースの少ない単身者向けマンションでは、ちょっとした空間を収納スペースにす るだけで入居希望者にアピールできる。


また百円均一ショップで売られているような小さなフックを、あらかじめ玄関の壁に直付けしておく。するとなんでもないフックがコート掛けや、帽子掛けに変身する。吊り戸 棚もそうだが、入居者があとから壁に取り付けることは、禁止されるケースも多いので、 最初から付けておけば、やはり好印象。とくに小物フックなどの場合は費用対効果が高い。

[写真1]USBコンセントは好印象

浴室も手軽に機能アップで好感度アップ

女性の入居者を意識するなら浴室はなるべく高機能なものを使いたい。

サーモスタット式水栓:シャワー中に台所で洗い物をはじめるとお湯の温度が不安定にな ることがある。それを防いでくれるのがサーモスタット式水栓。普通の水栓と価格はあま りかわらないので新築なら迷わず採用したいし、リフォームの際も優先度が高い。

スライド式ヘッドシャワー:縦のバーに取り付けられたシャワーヘッドが上下に動き、シャワーの高さが自由に調整できるように
したもの。髪を洗う際に便利だと女性には好評だ。これがあるだけで相当ポイントは高くなる。

洗濯物乾燥機能 :浴室に洗濯物を乾燥す る機能があると、これも好感度アップす る。浴室そのものも湿気から守られるの でカビも防げる。

[写真2]スライド式ヘッドシャワー

トイレも小さな工夫でヒット率アップ

トイレの印象は物件の好感度を大きく 左右する重要なポイントだ。

温水洗浄式便座:新築時は、もちろんその時点で最新の製品を最優先で導入する のがいい。リフォームする場合も、最優 先で取り組むべきだ。

省エネ便器:最新の便器は温水洗浄機能 と一体で多機能になっている。また少し の水で流せるなど省エネ効果も高い。たとえば古い物件で便器が和式の場合はネ ット上での競争力はゼロなので、便器も 含めて交換したいものだ。

2連ペーパーホルダー:先にふれた吊り戸棚はトイレにつけても効果的だが、私のおすすめは2連ペーパーホルダー。これはトイレットペーパーが2つ並べて取り付けられるようにしたもので、その上にちょうどスマホやタブレット端末などをおける台をとりつけたのがミソだ。ちょっとしたアイディアだが、現場での反応はいい。

[写真3]様々な工夫が施されたトイレ内

断熱窓の採用で省エネと防音効果を狙う

部屋の全照明をLEDにして省エネをうたうのは、いまやあたり前になってきている。 あとで触れるようにあえて白熱灯を照明に選ぶような場合をのぞくと、コストを考えても 新築時なら照明にLEDを採用しない理由がない。

窓のサッシについても同じようなことがいえる。冷暖房の効果が高く、防音効果もあるニ重窓(断熱窓)も価格が下がっているので、新築時に採用すればネット上でのヒット率は確実に上がるはず。最近では簡単に後付けできる断熱窓もあるのでリフォームの際には、採用したい。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。