流儀一 発想を変えよう

01 年収400万円でも大家さんになれる

クルマをローンで買ったら、投資はできなくなる

年収400万円で土地付き賃貸住宅の大家さんになるためには、まず発想を変えなければならない。人間は何かがほしいと思うと自分のお金で買おうとする。自分にお金がなければどうするか。貯金をするか、あるいはだれかにお金を借りるかのどちらかだ。若いころの私もそうだった。

30年以上前のことだ。当時はバブルもまだはじけてなくて、今の若い子たちとちがって、独身のサラリーマンが新車に乗るのはあたり前だった。ご多分にもれず、私も当時の最新流行だったトヨタのハイラックスサーフがほしかった。

いまならSUVというくくりになるのだろうか。車高を高くしたピックアップトラックの荷台に居室をつけたようなクルマだ。そんなクルマは、それまでなかったので、ひどく新鮮でかっこよかった。価格は300万円ほど。

手取り13万円ぐらいの給料から天引き貯金をして、コツコツと頭金をつくった。それほど高い給料をもらっていたわけではないが、実家暮らしだったので、そこそこ飲んだり遊んだりしても、ある程度の貯金はできた。いま考えるといい時代ではあった。

頭金がある程度貯まったので、ほしかったハイラックスサーフを買おうと思った。もちろんローンでだ。クルマのディーラーで契約寸前になったとき、天の声が聞こえた。


「クルマをローンで買ったら、それで終わりだ。もう投資はできなくなるぞ」

300万円で買ったマンションがクルマのローンを払ってくれた

だれに教えてもらったわけではないのだが、そんな考えが頭をよぎったのだ。私はその考えに従った。ローンで憧れのハイラックスサーフを買うのをやめ、さらに貯金を続けた。

そして300万円が貯まったとき、近くの不動産屋に行き、300万円の現金で単身者向けの中古マンションを買った。ちょうどバブルがはじけた後、物件が動き出したころだった。そのため思った以上にいいマンションを手に入れることができた。28歳のときだった。

もちろん自分が住むためではない。そのマンションを買っても、私はあいかわらず実家暮らしのままだった。ではどうしたかといえば、もうおわかりのように賃貸に出したのである。当時の賃料がいくらだったか、正確には忘れてしまったが、5万円ぐらいではなかったかと思う。その家賃で私はローンを組み、少しばかり遅くはなったが、ようやく念願のハイラックスサーフに乗ることができた。

この「少しばかり遅くなったが」というところが、この話のポイントである。もし頭金だけで貯めてローンを組んでいれば、私はもっと早くハイラックスサーフに乗ることができた。しかし、そうしていればローンの支払いに追われるし、ガソリン代や税金も必要で、それ以上の投資など考えもしなかっただろう。

ところが、ローンでクルマを買うことをあきらめ300万円でマンションを買うという回り道をした結果、私はクルマも手に入れ、しかもマンションという投資の手段も手に入れることができた。そのマンションはクルマのローンが終わった後も、毎月私に給料以外の収入をもたらしてくれるようになり、それを私は新たな投資先に振り向けるようになった。まさに一石二鳥。これぞ発想の転換である。

※本記事は、2020年5月刊行の書籍『年収400万円でも大家になれる 工務店社長が教える5つの流儀』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。