・日々のいいこと見つけ

入院から退院までの日々の変化に合わせること。ひらめくこと。ときめくこと。感動を忘れないこと。過去に縛られないこと。未来を変えるには現実を大切に生きること。今までの日々から探してみた。

少なくとも、手術が無事に成功したことに感謝をしよう。人工呼吸器がひとまず外れて感謝をしよう。

三男が歩けるようになり喜ぼう。ご飯を食べられるようになり感謝をしよう。運動会のリレー選手に選ばれて喜ぼう。弁当を作り五人で食べられる面会時間に感謝をしよう。

お父さん、帰ってきてほしいねの言葉に喜ぼう。ベッドから見る風景以外に車椅子に乗せてもらえて感謝をしよう。残された四人で一緒にお風呂に入る毎日に喜ぼう。

自助具を手につけてメールやテレビ電話で離れていても言葉を交わせるようになったことに感謝をしよう。退院計画を少しずつ組んでいけたことを喜ぼう。

毎日世話をしてくれた各病院様に感謝をしよう。毎日のようにお父さんにたくさん声をかけ、私も労い、腐らず面会に付き合ってくれた子どもたちに夫婦で感謝し、喜ぼう。私の周りの友人や、身内の温かな見守りに感謝しよう。

まだまだ数え切れないほどの感謝の場面場面が、きっとある。贅沢なのは夫じゃない。私だったことを噛み締めはじめた。生きている以上困難な状況でも小さな生理的欲求から満たしてまた歩みだそうと決意した。

挿絵(三男とお父さんと病室)

自分にない能力を持つ誰かを羨み、劣等感を抱いたことは、誰でも一度は経験があるかと思う。

そこを一番否定し、怒り、納得がいかないと苦しみ、悩んだ時間がとても長くなった。そこから時間が経つにつれて、私とは……私について立ち止まって考えてみたプロセス。

何を目的として、優先順位はなんなのか。神社に通うだけの時間は過ぎたんだ、子どもを相談窓口にした時間は過ぎたんだ。あのときは、ほぼ母からゼロ母、ゼロ妻、すべてゼロ女の道を辿った私。感動を忘れた時間。取り戻せない時間。

 

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