胃カメラ検査のすすめ

1年に1回、定期的な検査を

胃カメラは、40歳を超えたら1年に1回を目安に受けることをお勧めします。とくに頻繁に胃痛がある、最近食欲が落ちたなど、今までにはない症状や不快感がある人は、年齢を問わずぜひ受けてください。検査の結果、何も異常がなければ、安心して心身ともに健康的な生活を送ることができます。

胃カメラ検査では胃や食道、十二指腸のがん、慢性胃炎、ピロリ菌に感染しているかどうかなど多くの異常の有無がわかります。ピロリ菌は胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの原因です。ピロリ菌という名前もテレビコマーシャルなどで皆さんに知られるようになり、ピロリ菌の除菌治療を行った人もたくさんいらっしゃいます。

かつて私が国立がん研究センターに勤めていた頃は、がんの専門病院という特殊な病院のため、検査で診断するのは当然がんの方がほとんどで、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の方は大変少ない印象でした。ほかの総合病院で内視鏡検査を行っているときも、多くの方がピロリ菌の除菌後であるか、もともとピロリ菌の感染がないという方が多く、ピロリ菌感染者は減っていると思っていました。

ところが5年前に、クリニックを開院してからは状況がやや異なりました。症状のある方もドックや検診など無症状で検査希望の方も多くの方を診てきましたが、まだ2~3割くらいの方にピロリ菌感染が見られます。

胃の不快感は暴飲暴食やストレスが原因などと自己判断するのは禁物です。もし、ピロリ菌感染をしていてそれを除菌したら、「胃がすっきりした!」となれば、毎日の生活はもっと良くなるはずですから。