【前回の記事を読む】内視鏡手術は怖くない!専門医が教える治療法のメリットとは?

CHAPTER2 内視鏡検査があなたの胃腸を救う

胃カメラってどんな検査

胃だけじゃない、食道も十二指腸も診ることができる

胃カメラは、口から細長く軟らかいカメラを入れて、食道、胃、十二指腸の中を診る検査です。がんや潰瘍、ピロリ菌感染を調べることができます。

胃カメラで見つけられる主な病気

・食道/逆流性食道炎、バレット食道、食道がん

・胃/胃炎、胃潰瘍、胃ポリープ、(早期)胃がん、ピロリ菌の存在

・十二指腸/十二指腸潰瘍(疾患はほかにもたくさんあります)

バリウム検査と胃カメラのどちらかでいい?

胃の検査方法としてはバリウム検査も有名です。よく患者さんから

「健康診断でバリウム検査を受けていれば胃カメラは必要ないですか?」

という質問を受けます。結論から言うと、「NO」です。

バリウム検査は、造影剤のバリウム(白い液)を飲み込んだ後、体を上下左右に動かしたり、回転したりしながら、胃の壁にくまなくバリウムを付着させます。胃の内側の凹凸を影絵のように映し出し、潰瘍、胃の粘膜の荒れ、胃がんによって起こる変化を見つけることが可能です。また、造影剤が口から食道、胃から十二指腸へと流れていくところを診ることができ、胃全体の形や蠕動運動などを観察することができるのが特徴です。

ただし、バリウムと発泡剤による胃の膨らみが不十分だと、写らない部分もあり、正しく評価できない可能性もあります。胃の中をいろいろな角度から診ることにも向いていません。胃がん検診などで病気の可能性を見つけるのには手軽な検査ですが、内視鏡検査とは異なり、病変を一部切り取ってそれががんかどうかを調べる組織検査はできません。病気が予想されたとしても確定することができないのです。

一方、胃カメラ検査の場合は、粘膜の表面を直接観察できるので、早期発見をしやすく病変を見落としづらいというメリットがあります。ただし、胃カメラは技術的に難易度が高く、検査の精度に差が出ることがあります。胃が伸び縮みするなかで、角度のある胃の壁から病変を見つけないといけないため、医師の技量が問われます。

私はかつて日本で最も多く消化管がんの内視鏡検査や治療を行う国立がん研究センター中央病院で診療を行っていました。当時、胃がんの手術が年間約400件、内視鏡治療が約500件あり、合わせて約900件の胃がん治療がありました。また食道がんの内視鏡治療と手術が合わせて年間約250件、大腸がんの内視鏡治療と手術が合わせて年間約700件ありました。

私はチーフとしてその消化管がんのひとつひとつを診断する責任者をしていた経験があります。そのときには1年間すべての症例の画像をチェックし、それを消化器外科医や内視鏡治療医、放射線診断医や病理診断医などすべての医師に対してプレゼンテーションする立場でした。海外からの医師も研修に数多く来ていました。

当時、国立がん研究センター中央病院は国内で年間手術数が最も多い病院でした。そのため当時のチーフは胃がんについても食道がんについても大腸がんについても日本国内で最も多くの内視鏡画像や放射線画像を診ている医師ともいえます。このときの豊富な診断の経験が現在の胃がん・食道がん・大腸がんの診断と早期発見の基礎となっています。

その経験を活かした「正確で精度の高い、患者さんにとってつらくない検査をする、そして病気の早期発見・早期治療」が私の使命だと思っています。これを目指して昨日より今日、今日より明日、という気持ちで腕を磨いていると自負しています。