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第1章 情報革命からシン・物流革命へ

物流可視化を支える「在庫は悪」という考え方

現代物流の大きなトレンドは見える化、すなわち「可視化」である。内閣府などが推進するスマート物流サービスでもモノの流れや商品情報の見える化の技術開発に大きな重きが置かれている。

RFタグを導入して商品情報を管理するのは、「どこにどの商品がどれくらいあるかをわかるようにする」という流通在庫の可視化が大きな目的となっている。

しかしそれでは在庫はどうして可視化されなければならないのだろうか。第二次世界大戦後の高度成長期には、商品はテレビにせよ、洗濯機にせよ、作ればいくらでも売れた。そんな時代には物流も重視されなかった。在庫が余るなんてことは考えられなかったのである。

だが日本経済が成熟し、不況を迎えるようになると話は違ってくる。「売れないと困るから売れるだけ在庫を持とう。たぶん売れるだろうというような見込みで在庫を持って余ってしまってはどうしようもない」と考えるようになってきた。すなわち「在庫は悪」という考え方が主流になってきたのである。

たしかに在庫には品切れ、欠品などを防止するという重要な役割がある。特に営業・販売においては欠品や品切れは顧客の信用を著しく損なう大きな要因となる。

けれども、流行が目まぐるしく変わり、商品の進歩が日進月歩で進む業界では多大な在庫は「死に筋商品の集合体」となりかねない。流行遅れになったスカートや旧式の家電やパソコンが大量に在庫として保有されていれば、企業にとっては大きな負担となるわけである。

こうした陳腐化した商品の多くは廃棄されることになる。