【前回の記事を読む】高学歴な学生が企業から「良質な労働者予備軍」と思われてしまうワケ

MERCHANDISE(商品)

資本主義とは、私有財産の自由な行使に基づいた競争体制、とも表現されます。自らの財産をもとにして得た利益を自由にすることができる体制(社会)です。平たくいえば、オレが稼いだお金を何に使おうがオレの勝手だ、ということが許される社会ですね。そして、利益を再投資することで、さらなる利益増加を試みることに腐心する体制(社会)という見方もできます。

地理的な分業

農産物であれば肥沃な土地で生産した方がたくさん収穫できます。工業製品であれば安価に労働力を集められる土地で生産した方が安くできます。少々輸送コストがかかったとしても大量に消費する都市があれば事業として成立します。いわゆる薄利多売です。このようにして地理的な分業が行われました。

日本でも各地域の特産品と呼ばれるものが生まれました。同業者が同じ地域に集まるのも、土地の影響もありますし、集まることで分業も促進されたことと思います。生産者はより利益を上げるために販売する地域を拡大していき、いつしかその販売先が国外へと広がっていきます。国内企業の海外進出はまさにこの思惑(おもわく)です。

シェアという言葉を耳にすることがあると思います。この商品のシェアはこれこれこのくらい……と。円グラフで表現されることが多く、一つのパイを各社が取り合っている様相がそのまま表されているように思います。また、市場を釣り堀になぞらえることもあります。その釣り堀(市場)に糸を垂らしている人(企業)がどのくらいいるのか、その釣り堀にはどのくらいの魚(消費者)がいるのか、を表現します。

釣り人が多いときや魚が少ないときには競争が激しくなります。それだけが理由ではありませんが、国内でこれ以上のシェア拡大が見込めないということで海外に進出します。進出された国でも同業者がもともといたり生まれたりするので、そこでも一つのパイの取り合い(または魚の取り合い)が繰り広げられます。