瑠璃は二人の話が聞こえない振りをして、「なんか二人で、楽しそうにどうしたの……。晩ご飯の用意できたから、食べましょう」と誘った。食卓には、かき揚げ、天麩羅に加え、かまぼこ、バイ貝の煮つけ、イカの黒作り、ホタルイカの沖漬けが並んでいた。「まあ、昨晩、今晩とご馳走ね。私の好きなものばかりじゃない。一体全体どうしたの、瑠璃……?」「瑠璃、悪いが日本酒あるかい」「珍しいわね。いつもウイスキーばかりなのに…
[連載]氷上の蠟燭
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小説『氷上の蠟燭』【新連載】安達 信
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