一回目の再発が九月、サイバーナイフ治療で、再発した腫瘍部分が消えたものの、退院して一度は元気になった彼も、今思うと十二月頃から次第に元気も無くなり、あまりもう生きられないという事を意識していた様に思う。「何か伝える事があったら今のうちに伝えておいて」と言っても、「何も無いから」と言い、「もう自分は長く生きられないと思う。本当に今までありがとう、どんな言葉でも足りない位感謝しているよ」と言った。そ…
[連載]あなたがいたから
-
エッセイ『あなたがいたから』【第14回】坂本 りの
治療で言葉がうまく出てこない夫。彼が今どう思っているのかを知りたくて…
-
エッセイ『あなたがいたから』【第13回】坂本 りの
消えた再発部分。安堵のはずが芽生え始めた「死」への意識が押し寄せてきて…
-
エッセイ『あなたがいたから』【第12回】坂本 りの
あまりの進行の速さに愕然。一縷の望みをかけサイバーナイフ治療に奔走
-
エッセイ『あなたがいたから』【第11回】坂本 りの
最も恐れていた【再発】が現実に…。あまりのショックで暫く立ち直れなかった
-
エッセイ『あなたがいたから』【第10回】坂本 りの
夫の病気を忘れるくらい…家族で見たラーマーヤナの荘厳なバリ舞踊
-
エッセイ『あなたがいたから』【第9回】坂本 りの
事故、出血性胃潰瘍、結石…。夫のためにできることはやりきった。
-
エッセイ『あなたがいたから』【第8回】坂本 りの
凍えるような寒い日。長男は風邪から痙攣をおこし、入院した先でも水疱瘡や肺炎に…
-
エッセイ『あなたがいたから』【第7回】坂本 りの
「こんな贅沢して良いのかな」若き日の夫との幸せな思い出
-
エッセイ『あなたがいたから』【第6回】坂本 りの
テレビ、新聞から離れていく…「世の中の出来事」に感心をなくした夫を見て思ったこと
-
エッセイ『あなたがいたから』【第5回】坂本 りの
手術は成功!夫の無事に喜ぶもつかの間…「余命は長くて二年」
-
エッセイ『あなたがいたから』【第4回】坂本 りの
帰ってきた彼の様子がどこか変で「悪性か良性か分かりませんが、腫瘍ができています」
-
エッセイ『あなたがいたから』【第2回】坂本 りの
「猫にもこの様な感情があるのだ」…野良猫と触れ合い気付いたこと
-
エッセイ『あなたがいたから』【第2回】坂本 りの
占い師に野良猫の世話をしていたと見破られ…「守られている」
-
エッセイ『あなたがいたから』【新連載】坂本 りの
〈さとさん〉はいつもきれいだった明治生まれのおばあちゃん