修行あれこれ

若い人が多い道場は活気がある。道場の中でも外でも彼ら若者たちが主役である。そんな中で少し元気がないと思われる人たちがいた。当人たちと話をしてみた。高校生とか大学生であると言う。学生なら勉強で夜更かしをしているのだろうとの先入観で話していると、一様に違うと言ってあまり話したがらないのをしつこく尋ねてみた。一人が話し始めると皆が応じてくれた。

「三欲絶ちを行っている」と言う。

三欲とは、

・食欲

・睡眠欲

・色欲

である。人が人として存続していくうえで欠かすことができないことばかりである。いつも腹いっぱい食べ、惰眠をむさぼっている私には耳の痛い話であると同時に、感心させられた話である。何故そのような行をするのか尋ねると、リーダーとおぼしき一人が説明をしてくれた。

御釈迦様のような行をしたいとは思わないが菅長おつきの人の話によると、管長は昼間の護摩行ののち、シャワーを浴びて二十分から三十分休まれると、入行の心構え、講話をされて新しい入信者が帰ると入れ替わって、入信を終えている人たちがやってくる。

夜の部の読経、護摩の後シャワーを浴びて休む間もなく全員に配られた原稿用紙に書かれた経文の解説、講話を二時間ほど話され、其のあと全員対して質問、疑問に答えて下さる、質疑応答とでもいうべき時間が三十分ほどあり、十分間休憩、大勢の人は此のときに帰り、参加したい人は誰でも参加できる、各道場の報告会が始まる。

全員帰ったのち、自室に入り執筆作業を行う。おつきの人は管長が眠っている姿を見たことがないと言うのである。自分たちは少しでも管長の境遇に近づきたくて三欲断ちを始めたと言うのである。