ゴールはここじゃない。決勝でオールブラックスと対戦するのだ。行けるぞ、ラグビー日本代表!

今日の日本代表に繋がる画期的な起用が1998年に行われた。アンドリュー・マコーミックが史上初めて外国籍選手として主将に指名されたのである。翌1999年には、今回の日本代表の監督を務めるジェイミー・ジョゼフを擁し、環太平洋選手権で優勝した。しかし、同年のワールドカップでは4戦全敗に終わり、2000年11月に平尾は監督を辞任した。

その後宿澤が現場復帰し、オールブラックスの名ウイングだったジョン・カーワンを経て、エディー・ジョーンズに引き継がれ、2015年のワールドカップでの歴史的な南アフリカ戦勝利が実現した。

皆さん、日本人の誇りを取り戻しましょう。今大会のキーワードになった「規律= discipline」は、日本人固有の気質です。確かなゲームプランを立てそれを全員が共有する。仲間を信頼し自分の役割を忠実に果たす。個人プレーに走らずひたすらチームに貢献する。

今の日本社会から急速に失われているこの美徳を、日本代表は見事に体現してくれています。徹底して細部にこだわる、この職人気質とも言える気質を持つ民族は、実は世界中で数えるほどしか存在しません。

思いつくのは、ドイツ人、そしてユダヤ人です。文房具で日本と肩を並べられるのはドイツしかありません。クラシック音楽で世界を席巻しているのはユダヤ人です。共通しているのは、3つの民族はそれぞれ常に危機意識を持たざるを得ない環境にいるということです。

大航海時代の到来と共に、強い海軍力を持つヨーロッパの国々が次々に新大陸に出掛けては植民地を増やしました。世界に覇権を唱えた国々は、ポルトガルに始まり、スペイン、オランダ、イギリスへと移っていきました。出遅れたドイツは、ベルリン=ビザンチウム=バグダッドを結ぶ3B政策でイギリスのカイロ=ケープタウン=カルカッタを結ぶ3C政策に対抗しましたが、結局第二次世界大戦で敗れました。

日本も、明治以降、欧米列強に追い付き追い越せと富国強兵に励みましたが、アメリカ=イギリス=中国=オランダが敷いたABCD包囲網で石油供給を断たれ、開戦を余儀なくされた結果、第二次世界大戦で敗れました。戦後、国際的な平和と安全を謳いつつ、実は戦勝国の連合国が敗戦国の枢軸国を監視するという隠れた目的を持って、国際連合が発足しました。

中でもIAEA(国際原子力機関)は、ドイツと日本の核軍備を防止することが主目的で発足しました。しかし、ドイツと日本は焼け野原から奇跡の復興を果たし、戦勝国の殆どの国を抜き去りました。先進国で唯一本土を爆撃された経験のないアメリカに次ぎ、自由主義経済国の2位と3位を占めるようになりました。先人たちは頑張ったのです。

ドイツはその徹底した職人気質で、そして日本は独創性と手先の器用さで。