わが子の生まれ出る力を感じ取ったD・Aさん

D・Aさんは、第2子の助産所の出産にどこかもの足りなさが残っていました。そこで、姿勢やいきみ方など誰の指図も受けない自律的な出産を望み、第3子にはプライベート出産を選択し、お風呂で水中出産しました。出産時の姿勢は自然と決まり、特にいきむことなく子どもは生まれました。

「やっぱりお任せ、人任せじゃなくっていうか。でも自分の意思で(体を)動かすんじゃなくて、ただこの生まれてこようとしているものに任すというか、この感覚を味わいたかったんだよなって。やっぱりこうだったっていう確信というか満足感はありましたね」

このように、D・Aさんは子どもの生まれる力に身を任せたプライベート出産の体験を通して、出産は子どもが主役であることを体感し、これが本来のお産のありようだと納得し、深い満足感を得ました。

完全な玄米菜食ではないものの、湧き水の出る地で養鶏業を営み、自給自足を目指し、無農薬の野菜を作り、洗剤も使わない、そしてよく動く生活を長年実践していたD・Aさんは、自信を持ってプライベート出産に臨んでいました。プライベート出産を選択した背景にある生き方について、このように語っています。

「"生きるとは"っていうことを突き詰めるというか、そういう生き方を実践っていうか、あらゆる場面で。出産だけにかかわらず、地球の中の人間の生き方、在り方みたいなやつを生活全般で意識してれば、出産も必ずそこにどうしても行き着く……」

D・Aさんは、食を中心に自然と向き合い、「生きる」ということを意識したライフスタイルを取る中で獲得した生命観(地球の中の人間の生き方)から、プライベート出産にたどり着いています。このようなライフスタイルで日常的に身体作りを行っていたことから、自分で産めるという自信を持っていました。そして、産まされることなく、子どもの生まれ出る力に身を任せた出産体験に、これが本来のお産のありようだと納得しました。

しかし、出産について学ぶ場がなかったことで、第1子は自然出産を望みながらも病院出産を選択し、不本意にも産まされてしまう経験をしました。第2子は2時間かけて助産所に通い出産するなど、納得し満足のいく出産を実際に体験するまで紆余曲折ありました。このことから、これから出産する多くの女性には、医療にお任せの出産ではなく、主体的に出産に臨んで欲しいと願い、「助産院っていうか、(略)お産の家みたいな、自分で産むもんなんだっていうことを教えてくれる場所が必要」と語っていました。

※本記事は、2021年9月刊行の書籍『私のお産 いのちのままに産む・生まれる』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。