また、最近。

日本語による全脳活動が注目されている。表音文字の読み取りの時、左脳の方がよく働く。日本人も、表音文字の平仮名・片仮名の読み取りの時は、左脳の方がよく働く。

しかし、表意文字の漢字の読み取りについては、一字一字の漢字を読み取る時、右脳の方がよく働いているのだ。表音文字の平仮名・片仮名と表意文字の漢字の混ざった文章の読み取りになると左脳と、右脳が共に働く状態になる。右脳と左脳を共働状態に置く事によって、脳の持つ能力が最大限に発揮できる。

この全脳活動は、新概念のより早い理解や創造性の拡張に役立っている。第二次大戦後、GHQの占領政策の一つに、漢字・平仮名・片仮名を廃止して、日本語を全てローマ字表記にしようとする政策があった。この政策は途中で中止になったが、もし、漢字、平仮名、片仮名を取り上げられていたら今日の様な世界の先頭を走る高度な技術発展はまず望めなかっただろうし、資源の無い日本は世界有数の最貧国になっていたかもしれない。

新概念のより早い理解や創造性の拡張には、母国語で思考する事が不可欠なのだ。見て意味が解る表意文字と、読まないと意味が解らない表音文字を比べると、明らかに、表意文字は読解力に有利である。外国の科学・工学・技術等の語彙を表意文字の漢字に変換する事で、表音文字オンリーの国々に対し優位性を持っている。

最近は、外国語を変換せずそのままのローマ字表記やカタカナ表記で止めてしまう事が多くなっている。日本が外国語を表意文字の漢字に工夫して変換しないのは、他の表音文字オンリーの国々と同列となり、日本の弱体化に繋がるのではないかと危惧している。少なくとも科学技術産業分野では、漢字表記の重要性を顧慮すべきである。5万語ある漢字による組合せで変換出来ない世界の文字言語はないだろう」

皆さん、西欧言語の抽象概念をそのまま移入できる抽象性と、表意文字の特性を生かした表記の簡潔性を備えた漢字の素晴らしさを、再評価しようではありませんか。

※本記事は、2021年7月刊行の書籍『未来を拓く洞察力 真に自立した現代人になるために』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。