冬の夕べ

赤い夕焼けと

ぶどう色に染められた夕べ

ふと洩らされた吐息に

眩暈を覚える一刻

霜柱を踏み

凍てついた道を歩く時

東に力を失った大きな太陽が

苦く白い一日を予感させていた

悲しみを表すには

あまりにも心が空虚すぎて

逢ったあの時を思い出せない

魂を狂わせる

背徳の匂いに身震いして

そして暮れていったあの夕べ