五月の山
五月の山は
まぶしいばかりの光の中
激しき風にゆれている
それはきらめく
黄緑の世界
そして若き生命の
せめぎ合う世界
されど山頂から望めば
五月の山は
黄緑と深緑の
交互に織りなす
魔法の世界
移り行く時が我に知らせる
不思議な世界
五月の山を
降りゆきて
輝くばかりの若葉つみ
唇にあてればほろ苦く
君のうなじを思い出す
移り行く時が
この苦しみを流すかと
すがしき風が
ほの浮かぶ唇を
吹きとばすかと
願いつつ──

黒い花Ⅰ【第2回】
油彩画の艶やかな色彩と
詩の繊細な言葉が織りなす
マリアージュ作品集
本記事は、大伴健氏、長友良憲氏の書籍『黒い花Ⅰ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
五月の山は
まぶしいばかりの光の中
激しき風にゆれている
それはきらめく
黄緑の世界
そして若き生命の
せめぎ合う世界
されど山頂から望めば
五月の山は
黄緑と深緑の
交互に織りなす
魔法の世界
移り行く時が我に知らせる
不思議な世界
五月の山を
降りゆきて
輝くばかりの若葉つみ
唇にあてればほろ苦く
君のうなじを思い出す
移り行く時が
この苦しみを流すかと
すがしき風が
ほの浮かぶ唇を
吹きとばすかと
願いつつ──