PQQをしっかり摂取するために

PQQは私たちが日常的に口にしている食べ物、たとえば納豆、豆腐、味噌などの発酵食品をはじめ、野菜類ではパセリ、ピーマン、ホウレンソウなどの緑の野菜に、飲み物ではウーロン茶、コーラなどにも含有されていますが、その量はごく微量です。

 

サプリメント素材としても販売されているPQQ

そこで、もっと効率よく摂取する方法はないかと思案していたところ、最近になって、PQQがサプリメント素材としても販売されていることを知りました。

それも、国産のものだけでなく、中国産など海外製品も出回っているようです。もしサプリメントでPQQを摂取しようとお考えなら、医師の立場として国産のものをおすすめします。

なぜなら、国産のものは安全性に関するデータ(後述します)がそろっていて、研究成果がきちんと報告されているので安心して使用できるからです。

新たなビタミンの可能性が示されたことをきっかけに、ピロロキノリンキノン二ナトリウム塩として世界で初めて食品として開発したのは、じつは国内の大手企業でした。

PQQの海賊版にご注意!

最近では海外でも海賊版とでもいえるような製品が製造されているようですが、当然ながら、海外製品は安全性や品質面で信頼できるかどうか定かではありません。

一方、国産の「PQQ」は、2008年にアメリカ食品医薬品局(FDA)にPQQの新規食品素材(NDI)の届け出が正式に受理され、先にアメリカで発売が開始されました。

日本国内ではそれより数年遅れて、2014年に食品素材として厚生労働省に使用が認められ、研究もしっかりされています。

また、この国産の「PQQ」は2018年には欧州委員会でも食品素材として認められ、徐々に世界中に広がってきています。

私が本書で紹介しているPQQとは、すべて国産の「PQQ」のことである旨を特記しておきます。

アメリカでは、すでにPQQのヘルスクレーム(機能性表示)として、「脳機能改善」や「ミトコンドリア新生」で、高齢化社会のニーズに十分応じた成分として知名度もかなり高いようです。

海賊版が出回るほど注目されているPQQとは、どのようなものでしょうか。

このあとPQQについて、さらに詳しくご紹介しようと思います。

PQQのさまざまな効果

1.ミトコンドリア機能の活性化作用

前にも述べましたように、ミトコンドリアは一つの細胞に100~3000個も存在し、生命活動に必要なエネルギーを作り出しています。

健康なミトコンドリアはしっかりとエネルギーを作り出しますが、加齢や生活習慣の悪影響などによってミトコンドリアの機能も徐々に低下していきます。

ミトコンドリアの機能が低下すると、体内のエネルギーを作り出す能力が落ちて、脳、筋肉、肝臓などの組織や器官の障害の原因となるおそれがあります。

なぜなら、体が必要とするエネルギーの半分以上をこれらの器官で消費しているといわれているからです。