PQQのさまざまな効果

2 ミトコンドリアの新生作用

じつは、PQQはミトコンドリアを活性化させるだけでなく、ミトコンドリアそのものを増加するはたらき(これを新生作用といいます)があるのです。

これはPQQのもう一つのすばらしい特徴といえます。

PQQがミトコンドリアを増加するはたらきとはどんなはたらきなのか、簡単に説明しますと、体内に取り込まれたPQQは、運動やレスベラトロールによるシグナルと同じルートを通ってミトコンドリアを増加します(新生につながります)。

しかし、レスベラトロールによる効果よりも500~1000倍も強力にはたらくことが確かめられているのです。

レスベラトロールとはポリフェノールの一種で、細胞の酸化を防ぎ、肌の弾力を改善することなどが期待されています。また、血流の改善や血糖のコントロールなどにはたらくことも知られています。そのため、生活習慣病の予防にも有用といわれています。

また最近では、ミトコンドリア新生を引き起こすものとしてNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)という化合物が注目されていますが、PQQはNMNよりもはるかにミトコンドリア新生効果が強いことも確かめられています。

ミトコンドリアを活性化する方法はまだごくごく限られているなか、PQQはミトコンドリアを活性化するだけでなく、ミトコンドリアそのものを作りだすはたらきがあるのですから、まさに現代の超高齢社会のニーズに即した成分といえるでしょう。

下記の図表は、細胞内のミトコンドリアが緑色に染まる色素で各濃度のPQQを作用させた細胞を染色したものです。ここではわかりにくいのが残念ですが、緑色が濃いほど、細胞内のミトコンドリアが多いことを示しています。

 

下記のグラフはミトコンドリアが増えて、その結果として生物のエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)が実際に増えることを示したものです。

Pyrroloquinoline Quinone, a Redox-Active o-Quinone,Stimulates Mitochondrial Biogenesis by Activating the SIRT1/PGC-1α Signaling Pathway Saihara K, Kamikubo R, Ikemoto K,Uchida K, Akagawa M.(2017) Biochemistry. 19;56(50):6615-6625.

最近、ミトコンドリアを増やす効果が期待されているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)よりも、ミトコンドリアを増やす効果はPQQの方が約1000倍も高いことがわかっています。