高校生活も終わりに近づき、結局、短大入試は不合格。半分ヤケクソにもなっていた頃、Hが卒業旅行を計画していてそこに参加。河口湖畔のコテージに泊まりドンチャン騒ぎした。

その後、朝早くに起きて一人で湖畔を散策したとき、正面に富士山と川面に映る逆さ富士が見えた。朝日を浴びて真っ赤に染まっていた。縁起がいいなあと涙ぐみ、感動した。

旅行から帰って来て、家に着くと、母親が、

「アンタ大変だよ。帝京平成短期大学、補欠合格したよ」

なんて言う。

学校側から電話がかかって来て繰上げ合格の連絡をしたと。電話を取らなければ他の方になっていましたと。

母親は歯科のレセプト請求の仕事をしていて家を空けることも多かったが、その日は僕の将来を悶々と考え仕事もせず家にいたそうだ。ああ、なんてラッキーな!

内心、あの富士山を見たおかげかな? と思いつつも喜びをHやKちゃんに電話していた。

いやー、高校生のときは本当に勉強は何もせずに遊び呆けていたなー。

高校3年の夏休み、普通受験勉強しますよね? 僕は、司馬遼太郎の『龍馬がゆく』全8巻を2回読んでいました。実はかなりの歴史好きで、本は読みまくっています。ノンフィクション好きなんですよ、これでも。