ミトコンドリアを増やす方法

ミトコンドリアを増やすにはどうすればよいでしょう。ミトコンドリアを増やす方法を以下にいくつかご紹介しましょう。

1.プチ断食(ダイエット)をする

ミトコンドリアの第一の仕事はエネルギーをつくり出す(正確にいうと、エネルギーを放出するATP[アデノシン三リン酸]をつくり出す)ことですから、ミトコンドリアを増やしてエネルギーをつくり出させるには、体にエネルギーが不足していることをわからせればいいわけです。

エネルギーが足りないことがわかると、体は「このままでは大変だ! 早くエネルギーをつくらなければ……」とばかりにミトコンドリアを増やします。

一番効率がいいのは断食をして体を飢餓状態にまでもっていくことです。そうすれば、ミトコンドリアは生存の危機を感じて、すごい勢いで量を増やします。

別に断食までしなくても、食事の量を少なめにするだけでもよいです。逆に食べ過ぎが続くとミトコンドリアは怠けてきます。昔から「腹八分目」といわれているのは昔の人が経験から得た知恵なのかもしれません。

ところで、最近NHKがよく科学番組などでも取り上げている「サーチュイン遺伝子」というのを聞いたことがありますか。

老化の原因となる活性酸素の発生や、免疫細胞の異常を抑制するはたらきをもつ、サーチュインという酵素を活性化させる遺伝子で、「長寿遺伝子」とも呼ばれているものです。

サーチュイン遺伝子が実験生物の一部に寿命を延長する効果がみられることが報告され、以来、老化のメカニズムの解明や健康寿命の延長に関わる研究が進められています。

じつは、赤ワインなどに含まれるポリフェノール類の一種で「レスベラトロール」という物質がサーチュイン遺伝子を活性化させて、カロリー制限(ダイエット)と同じようなはたらきをしていることがわかり、注目されているのです。

カロリー制限と同じようなはたらきをしているということは、レスベラトロールがミトコンドリアを増やしていると考えられます。

フランス人はバターや肉など高脂肪の料理を食べているわりには心臓疾患が少ないといわれていますが、これはフランス人が毎日のように飲んでいる赤ワインに動脈硬化を予防する効果があるからかもしれません。

また、赤ワインを毎日グラス3~4杯飲む人は、まったく飲まない人に比べて、アルツハイマー病の発症率が4分の1と少なく、死亡率も低いという研究結果も出ており、赤ワインの健康効果の正体はレスベラトロールではないかと考えられてきています。