朝令暮改 しつけは、し続けてこそ

毎日の生活の中で、なるだけ「ルール」は設けてこなかった。

自分に対しても子ども達に対しても。理由は簡単。

決まりを作っても自分自身すぐ忘れてしまうから。そしてどうせ誰も守らないから。

その程度の決まりなど作る意味はなく、時間と労力の無駄である。

「決まりは破るためにある!」

誰かが言っていた気がするが、それは確かに一理ある。

門限、お金の管理、成績、進路、服装、髪型、自分で考えたらいい。どうせ親の言うことなんて聞きはしないし、私も聞いてこなかった。厳しくしても怒ってみても、やりたいことはどうせやる。

そんな私でもいくつか言い続けていることはある。一つは「弱い者いじめをしないこと」。これは生涯持ち続けてほしい心構え。誰でもみんな弱っている時は人の助けになる。

だから弱者を助けるのは至極当たり前。それをいじめるなんて不届き千万、一番卑劣な行為だ。

もう一つは「自分を卑下しない」。どうせ自分なんて……、というのは卑怯な逃げ口上。

今の自分が嫌なら好きな自分になれるよう努力するしかない。自分のことが嫌いな人に優しい手を差し伸べてくれる奇特な人はいない。みんな自分のことで精一杯。母親の私ですら真っ平ごめん。

そこは自己責任で頼みたい。自分を諦めるのは一番悲しいこと。少しでも好きな自分になれるように、自分の心と体を大切にしてどうにか前を向いて生きてほしい。

「しつけは、し続けること」。昔、幼稚園の先生に言われ確かにそうだと思った。

朝令暮改では子供の心に届くものなど何もない。逆に、親が本気で思っていること、自分自身も守りたいと思っていることを言い続ければ、子ども達の胸に必ず届くと信じている。