私は様々なことを試みました。その中の一つが「リーダーを育成する」ということでした。14店舗に1マネージャーではキャパシティオーバーになってしまうのも当然です。1店舗あたり従業員は約15人在籍していたので、一人で約200人と話をしなければなりません。まずは各店舗の軸となる14人のリーダーを作り、自分一人と14人という組織を構築することを考えました。

しかしそれを行うのも一筋縄ではいきません。他のエリアマネージャーより担当する店舗が2倍多いわけですから、2分の1の時間でリーダーを育成しなければなりません。7店舗の場合ですと通常は週に2回はお店に行って直接教育を行うことができます。しかし現状では、1週間に1回しか行くことができません。私は一度の教育で通常の2倍の効果を発揮させる必要があったのです。

そこで私が店舗に出向いて教育する時の効果を最大化するために、コーチングや教育論などありとあらゆる本を読んで実践していきました。自分と相手にとって最大の効果が発揮できる教育法はどれなのかを何回も試行錯誤しました。その結果、曲がりなりにもしっかりとした組織が構築でき、ハードワークから解放されることができました。

精一杯やった結果、私の教育の引き出しは自然に増え、後により多くの店舗を担当するマネージャーになった時に大いに役立ちました。

ちょうどそのタイミングで会社にストアマネージャー制度(1店舗に一人店長を配置する制度)ができ、14店舗のうち私と一緒にトレーニングをしていた方が10名も店長に昇格し、私としても嬉しい結果になりました。

一つの言葉を真摯に受け入れ、発想を変えてがむしゃらに取り組んだことは、私の会社員時代の大きな財産となっています。私は自分を天才ではないと思っているので、西野さんのこの言葉を借りる時は「人間は環境が先」と言わせていただいております。

「天才は環境が先」

西野亮廣

環境を変えることで能力が変わることは大いにあると思います。その能力を身に付けたければ、新しい環境に積極的に飛び込んでいくことを心がけましょう。

例えば、私は英語を話せるようになりたかったので、英語圏の土地に住みました。30歳になってから、前職を退職する際の有給期間中には、1カ月プチ留学に行きました。英語しか通じない環境では、拙くてもどうにか伝わるように英語でコミュニケーションを取らないといけません。周囲から英語を学びに来ている人にも刺激を受けました。事前準備ゼロの状態から留学をスタートしたために何でも饒舌に喋れるまではいきませんでしたが、英語を話すことに対する心的抵抗は格段に低くなりました。

興味のあるジャンルを見つけたら、その界隈のコミュニティに思い切って飛び込んでみることは非常に重要だと感じています。