訪問

英会話教室は広島県の中心部にありました。静岡県から向かいます。新幹線を使って約3時間です。仕事柄出張が多く移動には慣れていたので、片道3時間は苦ではありませんでした。

広島県は中国地方の中でも人口が多く、広島市は中国地方で唯一100万人を超えます。全国学力テスト正答率ランキングは10位と教育基準も高い県でした(2019年、文部科学省全国学力・学習状況調査)。また、都道府県別大学進学率ランキング(文部科学省学校基本調査2019)でも全国5位と、勉強に対して意識の高さが表れています。

教室は市電の駅の目の前にありました。近くには人の集う公園があり、ファミリーや観光客が多く英語を勉強する場所として環境はうってつけの場所だと感じました。他には、300メートル範囲内に小学校があるなど、英会話教室に結びつく種となるポテンシャルは高い印象でした。

私が広島を訪れるのは、中学校の遠足以来です。ほぼ土地勘がない中、広島駅から教室のある市電の駅まで行きました。教室は駅前と伺っていましたが、事務所の看板等はなく、入り口を探すのに苦労したため、オーナー様に電話をしました。すると、ビルの窓からオーナー様が私を発見したようで「今立っていらっしゃる、目の前のビルです」と、案内してくれました。

緊張しながら教室のある階に向かいます。オーナー様が笑顔で迎えてくれました。ちょうど12時を回ったところでしたので、「まずランチでも行きますか」と声をかけてくださいました。広島で密かに人気を集めている「から麺」を食べ、再び教室に戻ります。教室は決して広くはありませんが、清潔感がありました。

「はじめまして。中田と申します。本日はお時間を取っていただき、ありがとうございます」

「先に他の購入希望者である2名様にも見ていただきました。どうですか?」

「きれいにされていますね」

雑談と情報を交えながら会話をしました。オーナー様の経歴や会社を立ち上げられた経緯、生徒さんとの関係、売ろうと思ったきっかけなどを伺いました。オーナー様は海外留学経験、海外勤務経験があり、帰国してからは日本と外国のかけ橋になりたいという思いから、共同出資者と会社を立ち上げたようです。

生徒さんとはフレンドリーで一緒に食事をすることもあると、非常にアットホームな印象でした。オーナーはそのような背景を包み隠さず話してくださり、この方なら全力で引き継ぎたいと思える方でした。