テストが始まりました。ヘッドホンから、ネイティブな英語が聞こえ始めました。英語が苦手な私は、まして聞き取りなど全くできず、左耳は聞こえませんが、聞こえる方の右耳から入ってくる英語に、ただ狼狽しました。

沢山の単語が通り過ぎていき、五分ほど経過しました。

(これまでか……)と、泣きたい思いになった次の瞬間、(諦めるな!)と、心の声が聞こえました。私はヘッドホンをはずし、答案用紙に向かいました。

自分が、ソニーをいかに愛し、どれほど貴社で働きたいか! 入社できた暁には、何としても全身全霊をもって貢献する覚悟を持っている事を! 熱い思いをぶつけ、日本語で書き続けました。

時間があったので、裏面までビッシリと書き上げました。やるだけやった私は、ダメでも仕方がないと、全てを受け入れる気持ちで帰りました。

数日後、採用の知らせを受け取った時の歓びは、今思い出しても涙がでます。

運命を受け入れ、猪突猛進した私に、天が微笑んでくれたのでした。

※本記事は、2021年4月刊行の書籍『しあわせ白書』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。