プロローグ

「あなたは、今、幸せですか?」

こう聞いたなら、「はい。幸せです!」と、即答できる人は、多くはないのではないでしょうか? 誰もが皆、様々な悩みを抱えながら、幸せになろうと、一生懸命に生きている。それが、人生だと思います。

今、世界は、新型コロナウイルス感染症により、命の危険にさらされ、経済的にも先の見えない不安に包まれてしまっています。日本も、緊急事態宣言が発令され、人々はステイホームし、何もかもが自粛で、子供達は学校へ行けず、皆が自由を奪われています。

ですが、誰にも等しく、心の自由はあるはずです。第二次世界大戦以来の重大な危機と言われる今こそ、私達は命の重みを抱きしめ、人と人とのつながり、つまり愛の輪を求め、幸せに生きたい!と切望しているのではないでしょうか?

昨今、引き寄せの法則などが流行り、人によっては、高額なセミナーに通ったりされているようですが、今すぐ幸せにならないで、いいのでしょうか? 人は毎日、一歩一歩、死に向かっています。自分の死がいつなのか、誰も知りません。今日を幸せに生きなければ、人生は後悔ばかりです。

私は、生来の病弱で、重度の喘息持ちで、いわゆる基礎疾患のある身です。昨年も、喘息の発作で、六月、十一月と二回、入院治療を受けました。新型コロナウイルス感染症にかかったなら、死ぬかもしれません。

ですが、幸運な事に、今、まだ生かされています。私は、喘息のほかに、うつ病も患っており、四十代前半までは、乳ガン、子宮ガンの闘病もしました。五十三歳の今日まで、いえ、今も、死を常に身近に感じながら生きています。