減税支持に対し、トランプの税制案はアメリカの国際企業の海外所得に対する課税ルールを変えてしまったという主張がある。この法案による変更で、海外所得の何兆ドルもの大金がアメリカ本国の親会社の帳簿に戻ってきて、かなり有利な税率での課税ですむと言うことだった。

本国へ送還される所得は巨額の現金の波となり、アメリカへ到着し、アメリカの経済成長を刺激するため工場や設備それに仕事を作り出すための投資に使われるだろうというのだ。これはデタラメだ。

アメリカの国際企業の「海外」所得による現金はほとんどがすでにアメリカ市場に投資されていて、過去からそうであった。現金を母国に慌てて送金する必要は無く、すでにアメリカにあったのだ。

海外のカネは例えばアイルランドとかケイマン諸島の子会社の帳簿に会計目的で記帳されているだけで、大半はアメリカ国債や、マネーマーケットに投資されているのである。

トランプの税制法案はそのカネを本社の帳簿に記帳することを許し、従来計上を義務づけられていた未払法人税の取消を認めたのだった。これは単なる会計仕訳の記帳であり、津波のように現金がアメリカに来るわけでは無かった。

本国への送金話は、いつもメディア、下院、一般国民をその気にさせるように仕組まれたでっちあげで、本当は共和党への寄付をする大企業への巨額の棚ぼた的プレゼントなのだ。

確かに財務省証券や社債、銀行預金など、以前から投資されていた海外のカネが、工場や設備に向けられることもあり得る。しかし、これももう一つのでっちあげであり、カネは大半が新しい工場や設備に移されるのではなく、配当や自社株買いに使われるのだ。

これで長期的な経済成長や仕事を作り出すこととはほとんど無関係な株主へのもう一つの棚ぼたになる。アメリカ国内の工場や設備に投資を考えた国際企業があったなら、過去10年でいうと海外のカネを担保に2パーセントの金利で銀行借入が簡単にできたはずだ。

トランプの税制案における経済成長と投資の話はごまかしにすぎない。