その後日本には仏教が伝来したのですが、“仏”も多神教の“カミ”の一つとして受け入れられたのです。一方西欧文明は乾燥地域で生まれたキリスト教を信仰することにより、自然と隔絶された文明となり、人間は自然(動物・植物)とは隔絶されているのです。

b.両文明の違いは主体(人間)と客体(自然)の関係にあるのです。西欧文明の主体が客体を把握するという関係は、近代科学の発展に著しく寄与したのです。

そのため明治以降の日本は(その西欧文明に追いつくため)人間と自然が融合していた文明からの脱却を図り、人間と自然の分離を果たすのです。神からの解放を通して近代的”自我”にたどり着いた西欧とは違って、近世以前の日本の文学の課題は、共同体(人間社会)からの”自立”であったのです。

※本記事は、2021年3月刊行の書籍『終結 日本文明試論』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。