調査をすると、7つの島にバドミントン部があった。そのうちの6校が参加の意向を示した。そこで、東京都中学校体育連盟のバドミントン専門部に掛け合い、夏休みに入ってからのブロック予選で都大会に参加させてほしい旨を打診した。

それでは、都大会参加申込の締め切りに間に合わないことは分かっていたが、本土との往来を考えると、長期休業中でなければ大会開催は難しく、また、何度も島と本土を往復するのは経済的にも厳しいため、都大会直前にブロック大会を行い、Fブロックの枠だけトーナメント表に入れておいてもらい、都大会当日に氏名・学校名を入れられるようにお願いした。

ありがたいことに快諾していただき、Fブロック大会の開催実現に漕ぎ着けることができた。竹芝桟橋にある島嶼会館に宿泊し、会場は、そこから歩いて行ける大門中学校の体育館をご厚意で貸していただけることになった。

夏の大会の最中であり、丸一日貸し切るのは申しわけない気持ちもあったが、多大なご支援・ご協力をいただき、そして、それが10年を経た後にも続いているということで、感謝の念が絶えることはない。

さて、Fブロック大会において、S中学校の女子ダブルスは決勝までコマを進められた。隣の島のライバル校との決勝戦は苦戦を強いられたが、大逆転で勝利を収め、見事に優勝した。

追い詰められたところからの逆転の立役者は、いつもは控えめなAさんだった。まさに開き直りというのは思いもよらない力を発揮させるものだなぁと、あらためて感じさせられたプレーを見せてくれた。

大会後は保護者らから、S島のオグシオと呼ばれ、満更でもない様子だった。都大会は、関東大会常連の強豪校との対戦となってしまったが、1セット目の途中まで、10対10と善戦し、相手監督が慌てているのが窺えた。

残念ながら力尽き、敗れてしまったが、よくやったと言うよりも、悔しい思いが残り、それだけ本気で頑張ってきたのだと、二人を大いに誉めることにした。

Oさん、Aさんにとっても、私にとっても大きな財産となったことは言うまでもない。

※本記事は、2021年1月刊行の書籍『教育現場の光と闇~学校も所詮〔白い巨塔〕~』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。