写真

写真の好きな人とそうでない人がいる。

写真に関心がない人もいる。写真を好まない人でも、記念写真、運転免許証、パスポートなどの顔写真は逃げられない。つい緊張の表情になってしまう。

まじめな写真を提出するため、真剣な顔、本気の顔を向ける。笑顔の写真は公的な目的を持たず、見る人を和ませ、楽しい気持ちも伝わる。その人の一面だ。

時には、笑顔で本気の顔を隠してしまうこともある。写真は現在の姿を写すが、見るときは必ず過去の姿を表す。

当たり前の話だ。それで記念写真となったり、思い出の写真になったり、成長の記録となる。つまり、見るときとまったく同時の写真を撮ることはできない。

その一瞬を再現することはできない。時間は進んでいる。

ふつうの人は自分の過去の写真を見ると、「若かったなぁ」とか、「痩せていたなあ」とか、「あの頃は楽しかった」「苦労した」などと懐かしく思う。

その写真の効用をさらに進めて考えると、単に記録、思い出とするだけではなく、他にも活用ができる。もし写真の中の自分が正面を向いており、その視線が自分の目と合ったとしたら。

しばし過去の自分と向き合ってみてはどうだろう。そして向き合うだけではなく、過去の自分からのメッセージを汲み取るように見つめてみよう。

一枚の写真の中にいる自分がよみがえり、きっと何らかの思いが湧いてくる。それは現在の自分を知るメッセージになるかもしれない。

過去も現在に生きて、力を与えてくれる。

「カコとは、力(ちから)ココにあり。」

私はこの言葉を座右の銘にしている。