俳句・短歌 短歌 故郷 2021.03.26 歌集「星あかり」より三首 歌集 星あかり 【第46回】 上條 草雨 50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。 そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。 たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。 6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 我は好く友に似合いの喜びと 嬉しい笑顔幸福の涙 微熱出て医師に出された薬飲む 寂しい襞ひだに入る風邪哉 風邪だけど服薬毎に思い増す 切り離せない二人の友誼
エッセイ 『59才 失くした物と得た物』 【新連載】 有村 月 結婚してから35年、「愛」はなくとも「情」は生まれる ダンナが死んだ―まさかの現実。自覚はなかったが、この時から私の「おひとりさま」は始まろうとしていたようだ。たしかにダンナは肝臓の数値が悪いと1ヵ月半入院したものの退院、体力も少しずつ戻りはじめ還暦祝の1泊旅行もし、そのたった1週間後にはこの世からいなくなるなんて、頭の中のすみっこにさえなかった事。よくいう野球の九回裏2アウトからの逆転満塁ホームラン的な。その1年半前、最愛の母が「くも膜下出血」で…
小説 『柴犬回想記 真珠湾の静寂vsワシントンD.C.の喧噪』 【第15回】 坂田 憲治 日本の役所が法案や改正案で好んで使用する「…等」と同じ「subject to」「of course」 〈我輩の違和感〉●「米国の修正を経たる後」と訳されているこの日本語案は明らかに無理がある。subject to という条件は「米国側だけ」ではなく「日米双方」に同時並列に付く条件で時間の後先はない。しかもその条件が「米国側は修正」に対し、「日本側は公式・最終決定」と両国で異なるところに問題がある。これは「日米共に相互に修正条件」とするか「日米共に相互に公式且つ最終決定条件」とするかいずれかにすべ…