発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために

“「発達障がい」は治療ができない難病ではありません。具体的な向き合い方、どうすれば症状は良くなるのかといった筋道はあります。早期発見・早期介入が求められるのは、治療が早ければ早いほど症状に改善がみられるからです。”医療現場の実情、最新の診断・治療法を専門の小児科医が解説していきます。

2006年、茨城県内初の5歳児健診をスタートした

5歳なのに0時に寝ているお子さんやテレビをつけっぱなしにしているお子さんに多動が多く見られました(環境性のADHDと考えられます)。ここで生活環境を整えることにより、衝動的な行動が減ったり、落ち着きが出たりと将来のお子さんの症状に大きく影響するので、保健師と協力して必死に親御さんを指導し、支援しました。

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5歳児健診を行うことで、他にも非常に有意義な結果が得られました。発達障がい以外に視力低下や肥満のお子さんが予想以上に多かったのです。体力スポーツテストで改善した例もよく見かけます。

健診でADHDが疑われ、6歳になってADHDを治療したところ、集中力が上がり、必死でボールを投げた結果成績がDランクからBランクへ上がったお子さんもいます。発達障がいは、さまざまな面で影響を及ぼすことがあるのです。だからこそ、こまめにチェックすることが必要です。

ジャンケンをしたり、片足立ちのバランスを見たり、眼球の動きを見 たり、通常の小児科とは異なる診療を行い、発達のバランス、ルールの把握、コミュニケーションの仕方を確認します。