食欲もなく、食事もあまりとっていないようです。よくよく話を聞いてみると、お子さんの症状に悩んでいるだけでなく、夫の家族に対する無関心さにも困っていました。夫には人の話の理解が困難なことと、空気が読めないこともあるようでした。

Iさんから話を聞くと、どうやら夫にも遺伝の影響があるようです。夫の父親は、町でも有名な頑固親父で、母親は、そそっかしかったり、物を片づけられなかったりする方だったようです。

もちろん話だけで決め付けることはできませんが、祖父は自閉スペクトラム症タイプで、祖母は不注意型ADHDタイプだったことがうかがえます。

以上のことを鑑みても夫はADHDを伴った自閉スペクトラム症タイプであるということが想定されます。積極的に悪さをするタイプではないというので、受け身型の自閉スペクトラム症が考えられました。

運転が荒く、急発進や急ブレーキが多く、物事の見通しや予測といった時間感覚がなく、家族との会話にも無関心で意志の疎通が図れず、家族に迷惑が及んでいました。

そこで、夫にもADHDの治療を開始するようにすすめたのです。Iさんは、すぐに首を縦に振りました。

※本記事は、2018年10月刊行の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』(幻冬舎ルネッサンス新社)より一部を抜粋し、再編集したものです。