著者・村瀬英晃氏と個性豊かな社会人で行っている勉強会、学生時代の恩師とのやりとりから生まれた自由な発想やアイデアで問題解決に繋げる水平思考について連載形式で紹介します。

地球温暖化CO2犯人説は嘘か

ところで、地質学の研究者、東京工業大学の丸山茂徳特命教授は、『科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている』(2008年宝島社)の中で地球温暖化に関して次のように否定的な主張をしている。

⑴太陽の活動度が高まっている

⑵産業革命以前と現在では、大気組成中のCO2の割合が1万分の1%しか上がっていない

⑶温室効果ガスのほとんどが水蒸気である

⑷現在太陽の活動が頭打ちの状態にあり、2050年には地球寒冷化の兆候が見られるはず

要は、近年の温暖化は人為的な温室効果ガスの増加に因らず、自然要因の影響がはるかに大きいというのが丸山氏の見解である。

※丸山教授は、地球の表面に存在するプレートに対し、深さ2900㎞に達するマントル全体の対流運動をプルームテクトニクスと命名して1994年に発表。当時の地質学界に衝撃を与えた実績がある。

※中部大学の武田邦彦教授も温暖化の懐疑論を唱える。温暖化に関する大きな3つの疑問として、第1には「温暖化しているのか?」ということ、第2には「温暖化の原因はなにか?」、そして第3に「温暖化でなにか悪いことが起こるのか?」ということだといい、利害関係者の陰謀論や政治的な要素を含む、これまでの地球温暖化の議論やIPCC(気候変動のための政府間パネル)の結論を批判し、真の研究の必要性を説いている。

異論者は、その人の個性や表現の仕方の良し悪しもあるが、賛同者は少ない上に反発や批判を多数受けがちだろう。

例えば、「地球温暖化が進むと、台風やハリケーンといった異常気象が増える」ということをしばしば聞くが、気象統計上の根拠はなく、偏西風の蛇行、エルニーニョ、ラニーニャ、北極振動によって起こるというのが専門家の見解である。

何はともあれ、地球温暖化の真の原因が、宇宙次元での太陽活動と宇宙線の相関関係の現象だったとしても、人間や動物は「暑過ぎるのもキツイ」し、「寒過ぎるのもキツイ」。

気温の変化に負けない体力づくりはもちろん、生活しやすい環境を出来るだけ省資源、省エネで実現していくアイデア出しと実行が大事かもしれない。

※地球の温暖化は1000年ぶりの活発な太陽活動(現代極大期)時期で、後10年くらい経てば、収束していくという説。それ以上に気掛かりなのが、異常気象や台風による農作物被害で、野菜や果物の値段が跳ね上がってしまう我が国の現状である。輸入で賄えるうちはまだよいが、急増中の世界人口において食糧や水は青天井ではない。日本としては、気候変動に強い作物の研究や食糧自給率を上げていく方向性を重視すべきだろう。(2020・1・17記)